このシリーズは、ワンピース大好きな私がワンピースを読んだ中で印象に残ったシーンや言葉を紹介するものです。
かなり細かく、かつダラダラと書いてます。
また、私の好みと偏見が多分に入っていますが、そこも含めて楽しんでいただけると嬉しいです。
第1話「ROMANCE DAWN」
シャンクス一味の宴にて
ルフィがナイフで自分の顔を刺した後の宴にて
船に乗りたがるルフィの様子を見たシャンクス一味の1人が
「お頭いいじゃねェか、一度くらい連れて行ってやっても」
といいますが、それに対しシャンクスは
「じゃあかわりに誰か船を下りろ」
といいます。
その後海賊たちは話を終わらせ飲みに戻るのですが、このシーンは男同士ならではの微妙なコミュニケーションと赤紙海賊団の信頼関係が見える場面です。
シャンクスはこのセリフを言うとき後ろ向きであり表情は描かれていないですが、セリフが太字であり語尾などに遊ぶ様子が一切ないことからこれはマジトーンであることが分かります。
しかし、怒っているというわけではなく、いわば「この話は冗談ではない」と示すためのセリフなんですね。
そのためそれを察した船員たちはすぐに話を切り上げています。
しかし、別にシャンクスが怒っているわけでもないとわかっている船員たちは気まずくなったり真面目な顔になることはなく、楽しく次の会話に移っています。
長年一緒にいるからこそできるコミュニケーションというわけですね。
その後シャンクスもおチャラけた様子に戻っています。
ただ子供のルフィはこの一連の流れの真意が分からず
「味方じゃないのかよ!!」
とキレているわけです。
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航海に連れて行かない理由を
「要するにお前はガキすぎるんだ」
と意味を含ませた要約で説明するシャンクスと
海の危険性を知っているから、ルフィが行きたい気持ちも理解はしているが許可していない
と分かりやすく伝えようとするベンベックマンの対比もいいですよね。
めんどくさがりで意地悪な船長のカバーを副船長がする、いいコンビです。
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このあとのベンベックマンの
「確かに楽しんでるな」
の時の顔の角度めっちゃいい。
伝説の山賊ヒグマ登場
みんな大好きヒグマさんの登場です。
ワンピース60皇説や大将”緋熊”説などで有名なヒグマさん
聞いてもいないのに賞金額を言ってきたり、殺した人数を数えていて自慢しにかなり自分のことが大好きなご様子。
隙あらば自分語り という言葉もありますが、ヒグマさんレベルになるとビンを割ってみんなの会話を強制的に止めることで自ら隙を作り出し自分語りをするという項等テクニックを使えるんですね
シャンクスたちはなぜ笑い、ルフィはなぜ怒ったのか
シャンクスがヒグマに酒をかけられた事件の後、シャンクスとその一味は大爆笑をし、ルフィは
「なんで戦わないんだよ」
とキレます。
ルフィは、シャンクスが相手が怖くて反撃できなかったのにヘラヘラ笑っている、ととらえたんでしょう。
それに対しシャンクスは
「怒るほどのことでもない」
と返します。ここもその答えでルフィが納得するわけがない、と分かっているでしょうが、あえて分かりにくく表現しています。
ここではグダグダ説明することは言い訳にしか聞こえませんから、まぁこの返しがベストだとは思いますが。
シャンクスとその一味が大爆笑していた理由は
飲み会中にトイレに行こうと歩いて行った人がつまづいて転んだ時にでる笑いみたいな感じなのかなと思います。
派手に水が掛かったという状況が単に面白くて笑っているという感じですね。
挑発されているのが分かっているからこそ、気にも留めないのがかっこいいですね。
これを酒に酔っている状態でできる自信と余裕はすさまじいですね。
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シャンクスが何よりすごいのが、相手の態度に関係なく相手を気遣った行動をしていること。
ヒグマは明らかに敵対心をもって挑発をしてきていたにもかかわらず、そんなことは関係なく、酒を飲んでしまったことを謝り、今ある酒を相手に上げた。
クレーマーへの対処としては完璧です。
それでいて自分がへりくだるわけでもなく、対等な立場として丁寧に接している。
相手の対応関係なく親切にしていると、よけいことを考えすぎないので疲れないし・迷わない。
怒りも沸いてこないんでしょうね。
是非お手本にしたい行動です。
ルフィが怒った理由
「げんめつした」といっていたのに、シャンクスの悪口を言われて怒ったルフィ
後の回想で分かりますが、ルフィは山賊がシャンクス達の悪口を言ったのに対して
「腰ヌケなんかじゃないぞ!! シャンクス達をバカにするなよ!!!!」
と怒ります。
先ほどまでシャンクス達をバカにしていたのに
ルフィはやっぱりシャンクス達のことが好きで、あこがれていたんでしょうね。
シャンクスに怒っていたのも、シャンクス達に幻滅したのではなく、自分のヒーローが負けてバカにされたのが悔しかったのでしょう。
押しのチームが負けて文句を言っているが、結局はそのチームが好きなファンみたいな心理なんでしょうか。
山賊vs海賊
「ピストル抜いたからには命をかけろよ」
訳)そいつは脅しの道具じゃねェ
訳が機能果たしてないやん…
君が脅しとして向けた銃は人を殺す力のある武器であり、それを向けることは自分も人に殺される覚悟を持っていなければやってはいけないことだ
と言いたかったと私は解釈していますが、相変わらずシャンクスの言い方は難しい
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ベン・ベックマン
「卑怯?甘ェこと言ってんじゃねェ
聖者でも相手にしてるつもりか
お前らの目の前にいるのは 海賊だぜ」
ここで自ら悪であることを宣言します。
これまでさんざんバカにする意味で使われていた海賊という言葉をここでカウンターとして出してくるのはかっこいいですね。
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シャンクス
「どんな理由があろうと!! おれは友達を傷つける奴は許さない!!!!」
ここまで分かりにくい言い回しをしてきたシャンクスが一転、とてもわかりやすい言葉でキレます。
今までの発言は相手に自分の意図を伝えるためのものではなかったのでしょう。
しかし、今回は相手に明確な怒りとその理由を伝えたいという考えがあったため、分かりやすく直接的な言い方になったのだと思います。
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山賊に逃げられたシャンクス
「し!し!しまった!! 油断してた!! ルフィが!! どうしよう みんな!!」
別に油断してた訳ではないとは思いますが、自分の失敗であることをすぐに認めて周りの人を頼れるところはさすがのリーダーですね。
これだけ能力の高い人が、自分の非を認めて、周りを頼ってくれることは周りの人間からすればめちゃくちゃうれしいことですから。
こういう部分は私も見習いたいです。
シャンクスとヒグマの対比
シャンクスとヒグマはもちろん海賊と山賊として対照的に描かれていますが、人間性の面も非常に対照的な描き方をされていますよね。
その一つとして私が思ったのは、部下との距離。
シャンクスは結構部下と離れて一人でいる描写が多いんですよね。
ヒグマに酒をかけられた時も一人カウンターで飲んでいましたし、山賊に遊ばれているルフィを助けに来た時も最初単独で登場しました。
逆にヒグマは酒をかけたときも、ルフィをいじめているときも部下が周りにいました。
さらに、2回目に酒場に来て飲んでいるときも部下と同じテーブルで飲んでいるんですよね。
この描き方の違いに込められた意図は私にはよく分かりませんが、シャンクスとヒグマのリーダーとしての力量の違いみたいなものを表わしている気がします。
この描写の意図について予想などある方がいれば是非教えていただきたいです。
海にプカプカ浮いてヘラヘラやっていたヒグマさん、食べられてしまう
さんざん海をバカにしてきたヒグマさんが最後は海の厳しさにやられます。
同時にルフィも海の厳しさを思い知ることになる、という美しいストーリー構成。
こういう展開の作りのうまさというかストーリー通しての物語としての完成度の高さみたいなものが、私がワンピースを好きな理由の一つです。
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マキノさんから全部聞いてる暇があったら探せ
ルフィが山賊に立ち向かったことに礼を言うシャンクス
立ち向かってすごいな
みたいに褒めるのではなく
俺たちのために戦ってくれてありがとう
と感謝するのがいいですよね。
まぁ戦っていたというよりは一方的にやられてただけですが、あれを戦いと表現するシャンクスはやはりカッコいいです。
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「おれはいつかこの一味にも負けない仲間を集めて!!
世界一の財宝を見つけて!!!
海賊王になってやる!!!」
ルフィがシャンクスの一味をめっちゃすごいと思っていて尊敬してるからこそ、この一味を超えることがとても意味のあることだと考えていることが分かる発言ですね。
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その後シャンクスが帽子を被せるシーン
私には、シャンクスは下を向いて涙をこらえていたルフィが泣くのが見えないように、深く帽子をかぶせてあげたように見えます。
子供だとしても男ですから、泣いているのを見ないようにして挙げるシャンクスの粋な計らいに感じました。
そうしてルフィはシャンクスと別れ、10年後に冒険に出ます。
まとめ
ここまでワンピース1話の気になったところを話してきましたが、かなり長くなりましたね。それだけ内容が濃く、興味深いシーンが多かった1話でした。
たった1話の中で
- 仲間に入れてもらえず、理由が分からないルフィ
- 山賊がシャンクス一味をバカにする
- シャンクス一味が山賊を倒す
- 山賊の棟梁がバカにしていた海の危険にやられる。
- ルフィが海賊にいれてもらえなかった理由を理解する。
というしっかりとした物語が出来上がっているのがすごいですよね。
さすがは超大作ワンピースの1話という内容でした。
こんな感じでこのシリーズでは私がワンピースを読む中で気になったことをピックアップして語っていきます。
ここまで長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。
それではまた。
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